【医師監修】薄毛・抜け毛の原因と対策方法を年齢&症状別に解説

基本知識

「最近、薄毛が気になり出した」
「抜け毛が多くなってきた気がする・・・」

ここではそんな「もしかして薄毛・抜け毛が進行しているのでは?」と感じている人のために、薄毛や抜け毛の原因と対策、そして改善方法を医師監修のもと解説いたします。年齢別、症状別にポイントを押さえながら解説しておりますのでぜひ、ご一読ください。

目次

この記事の監修者

西田恭之

恵比寿美容クリニック院長

東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は院長として診療に従事

 

そもそも薄毛と抜け毛はどう違う?

「近頃、頭皮が見えやすくなった」と感じている方は、その原因を「薄毛」もしくは「抜け毛」とお考えなのではないでしょうか?

ところで、「薄毛」や「抜け毛」の違いはご存知でしょうか?薄毛や抜け毛は同一のものとして考えられがちですが、実は特徴や原因が異なります。

薄毛の原因はヘアサイクルの乱れ

髪の毛は「成長初期」「成長期」「退行期」「休止期」の4つの期間を経て、生成から脱毛に至ります。これを「ヘアサイクル」と呼び、このヘアサイクルによって、髪の毛の量や太さは維持されています。基本的に、ヘアサイクルが正常に保たれていれば、「薄毛」になることはありません。

薄毛の原因は、新たな毛が生まれ伸長が活発な「成長期」が短くなることで起こります。髪の毛が十分に伸長しなかったり、太い髪が形成されなかったりすることで、本来の髪の毛よりも弱く細い髪の毛になってしまうのです。

 

一般的に成長期の期間は2〜6年であり、自然と人間は1日に50〜100本程度の髪の毛が抜け落ちています。しかし、ヘアサイクルが乱れると、成長期が短くなり毛根自体の形成が不十分になることで抜け毛が正常時(50本~100本)よりも増え、薄毛に繋がります。

 

また、成長期が不十分だと髪の毛は細くなり、本数自体に変化がなくても薄毛に見られるケースもあります。

 

また、薄毛のタイプにも色々あります。

タイプ① 「O字」「M字」「U字」ハゲは男性特有の「AGA」
タイプ② フケと抜け毛が増える「粃糠性(ひこう)脱毛症」
タイプ③ 頭皮がべたつく「脂漏性脱毛症」
タイプ④ 頭皮に負担をかけることで起こる「牽引性脱毛症」
タイプ⑤ 髪の毛全体が薄くなる女性特有の「FAGA」
タイプ⑥ 円形や楕円形に髪の毛が抜ける「円形脱毛症」

それぞれについて詳しく後ほど解説しています。

抜け毛は成長を終えた髪の毛の抜け落ち

そもそも髪の毛は永遠に生え続けるものではなく、通常、休止期を迎えた髪の毛は自然に抜けます。つまり、抜け毛自体は髪の毛が生えた後に抜けるという毛周期(ヘアサイクル)上なんら問題はありません。

 

しかし、AGA(男性型脱毛症)が原因の抜け毛があるように、自然に抜ける健康的な抜け毛と「薄毛」につながる良くない抜け毛が存在します。抜け毛の良し悪しは毛根をチェックすることで簡易的に判断することが可能です。

自然に抜ける健康的な抜け毛

正常な抜け毛は、髪の毛、毛根がしっかりしていることが特徴です。また毛根は少し膨らみを帯びており全体像としてはマッチ棒のような形をしています。

薄毛につながる抜け毛

毛根・髪の毛が細い
髪の毛は、前述のとおり「成長期」を経て太くそして長く成長します。毛根が細く髪の毛が細いということは、成長期が短くなっている可能性があります。

 

毛根に膨らみがない
毛根は通常一定の膨らみを帯びています。その膨らみが確認できない抜け毛は、毛根・髪の毛が細い場合と同様、成長期が短い可能性があります。

 

毛根がべたついている
毛根がベタついている抜け毛も注意が必要です。毛根の白い部分は「皮脂」もしくは「毛根鞘」です。薄毛に繋がるのは前者です。

毛根がベタついているときは、皮脂が過剰に分泌されている可能性が高く、頭皮環境が悪化している可能性があります。

 

毛根が真っ黒
毛根は白い状態が正常と言えます。もし、毛根が真っ黒の場合、髪の毛に栄養が行き届いていなかったり、血行不良である可能性があります。

 

本数が多い
自然に抜ける髪の毛の本数はせいぜい100本程度です。それ以上の髪の毛が抜けている場合、薄毛になる危険性があります。

 

薄毛・抜け毛の原因は性別や年齢でも異なる

薄毛や抜け毛の原因は、食生活や社会的環境など様々であり、性別や年齢によって異なります。ここでは性別・年代別に薄毛の原因を紹介します。
※男女や年齢の違いにおける薄毛・抜け毛の原因は、あくまでも傾向であり個人の生活スタイルや環境因子によって変化します。

 

 

男性の薄毛の原因

30代以下は生活習慣の乱れやストレスが原因

「老化」はまだ早い年代であり、AGA(男性型脱毛症)を発症する方も少ないながらいますが、日頃の生活習慣やストレスが薄毛の原因として考えられます。

 

暴飲暴食や偏食、睡眠不足など生活習慣の乱れは、そのままホルモンバランス、自律神経の乱れに繋がり、頭皮環境の悪化を招きます。また、ストレスを原因とした薄毛は「円形脱毛症」がその典型で、ストレスによる血行不良、自律神経の乱れは頭皮環境に悪影響を及ぼします。

40代は疲労感がストレス増加や生活習慣の乱れに繋がる

40代になると、身体的な衰えを実感している方、慢性的に疲労感がある方もいるでしょう。「働き盛り」の年代なので、仕事の多忙さによる疲労が生活習慣の乱れ、ストレスの引き金となり、頭皮環境に悪影響を及ぼすようになります。薄毛の原因としては30代以前と大きく変わらないものの、これまでの蓄積があります。加えて、回復能力が低下する年代なので、ストレス、生活習慣がより顕著に頭皮環境に表れ始めます。

 

なかには、AGA(男性型脱毛症)を発症する方もいます。40代は本格的に薄毛対策を始める方が多いです。

生活習慣を改善したり、育毛剤を使用するなど頭皮ケアがより重要になる年代といえます。

60代以上は老化によりヘアサイクルが衰える

ヘアサイクルの乱れが薄毛の原因であることは先述しましたが、60代以降になると老化によりヘアサイクルも衰えてきます。

 

細胞の働きが衰えて、髪が生えにくくなるのです。加えて、定年を迎えるなど生活習慣の変化が起きやすいです。会社員時代は規則正しい生活を送っていたのに、定年後に不規則な生活サイクルになった方もいるでしょう。加齢により食が細くなっている場合も注意しましょう。頭皮へ十分な栄養が届かなくなって、薄毛になる可能性があります。

 

 女性の薄毛の原因

30代以下はダイエット、生活環境の変化に注意

男性に限らず、女性も生活習慣には気を付けましょう。若い女性によく見られる、無理なダイエットは栄養不足による薄毛を引き起こす可能性があります。

 

また、20代・30代は結婚、出産、育児など生活環境が大きく変わるとともに、身体も変化します。とくに出産後は、ストレスを抱えたり、女性ホルモンが減少することもあり、それが原因で薄毛になるケースがあるのです。

40代以降は女性ホルモンの分泌量が低下する

この年代からは女性の特有の更年期を迎え、髪の毛にハリやコシを与える女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が減り始めます。エストロゲンの減少により、髪の毛の成長期が短くなり、ヘアサイクルに影響を及ぼします。場合によっては、髪の毛自体が細くなったり、色素が薄くなることで頭頂部の薄毛が目立ちやすくなります。

60代以降は女性ホルモン低下の影響が大きくなる

更年期を過ぎた60歳以降は「老年期」とも呼ばれ、女性ホルモンの分泌がほとんどなくなります。女性も元々は男性ホルモンを分泌していますが、女性ホルモンが減少することで、男性ホルモンの影響が大きくなります。つまり、男性と同じように薄毛になりやすいのです。ただ、女性の薄毛は男性と違って、部分的ではなく、全体的に薄くなる特徴があります。また、男性同様に加齢により頭皮の新陳代謝も低下しているため、新しい髪の毛が作られにくく、抜け毛が増えます。男性と女性で薄毛になる原因は若干違うとはいえ、生活習慣の改善、頭皮環境のケアは共に重要です。

 

その他の原因

喫煙は薄毛の原因になる

喫煙が薄毛の要因になると言われている主な理由は2つです。

1. 血行を悪くする働きがある
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる働きがあるため、喫煙すると髪の毛の成長が抑制され抜け毛が増える原因になります。

2. ビタミンCが不足する

喫煙習慣は、ビタミンCの吸収率を低下させます。タバコを1本吸うと、1日に必要なビタミンCの量(100mg)の約分(50mg)を消費すると言われています。

体内のビタミンCの量が減ることで、頭皮に悪影響を与える可能性があるのです。

性格が関係することも

神経質の人や真面目な人が薄毛になりやすい、という印象をお持ちの方はいるのではないでしょうか?

ストレスを溜めやすい性格は、薄毛になりやすいと言えなくもありません。ただ、ストレス耐性は人によってそれぞれです。

一概に性格が薄毛の原因になるとは言えません。間接的に影響がある程度と考えましょう。

 

薄毛・抜け毛の種類は様々

薄毛や抜け毛が気になり始めた方は、まずはどのような症状が出ているのか把握することが大切です。薄毛の症状別にタイプをまとめました。

 

タイプ① フケと抜け毛が増える「粃糠性(ひこう)脱毛症」

抜け毛とともに頭皮からフケが大量に発生する方は粃糠性(ひこう)脱毛症である可能性が高いです。自分の肌質に合っていないシャンプーを使っているなど外部からの刺激や生活習慣の乱れが原因で起こります。

タイプ② 頭皮がべたつく「脂漏性脱毛症」

大量の皮脂が頭皮環境に悪影響を及ぼすことで、抜け毛になるのが脂漏性脱毛症です。このタイプも生活習慣の乱れが主な原因と考えられます。

タイプ③ 頭皮に負担をかけることで起こる「牽引性脱毛症」

牽引性脱毛症とは、頭皮が引っ張られることで起こる脱毛症です。髪を強くしばったり、ヘアアイロンで髪の毛を引っ張るなど外部から刺激を受けると、血行不良になります。結果、十分に髪の毛が育たずに抜けます。頭皮に負担をかける髪型、習慣は控えるようにしましょう。

タイプ④ 円形や楕円形に髪の毛が抜ける「円形脱毛症」

円形脱毛症は、「10円ハゲ」に代表されるように丸い形に脱毛する病気です。丸い脱毛斑が1個から複数個現れる「通常型(単発性・多発性)」のほか、側頭部から後頭部にかけて帯状に脱毛する「蛇行型」、髪がすべて抜け落ちる「全頭型」、全身の毛が抜け落ちる「全身(汎発)型」などがあります。明確な原因は分かっていませんが、疲労やストレスが起因していると言われています。

AGA・FAGAの可能性もある

男性で薄毛が気になり始めた方は「AGA(男性型脱毛症)」を発症している可能性もあります。AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンがヘアサイクルに悪影響を及ぼすことで起こる薄毛です。

 

また、男性のAGAと同じように、女性が頭頂部の広い範囲で脱毛して、次第に地肌が目立つようになる薄毛を「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼びます。男性のAGAは前頭部から薄くなるのが一般的ですが、女性の場合、髪の毛の全体が均一に薄くなるのが特徴で、びまん性脱毛症とも呼ばれます。

 

AGAを発症する原因は遺伝の他、生活習慣やストレスなどの後天的な要素もあります。

薄毛・抜け毛には自力で治せるものと治せないものがある

前項で薄毛の種類について解説しましたが、薄毛にも自力で治せるタイプとそうでないタイプがあります。

ヘアサイクルの乱れによる薄毛は治る可能性がある

生活習慣の乱れ、ストレスが要因と考えられるヘアサイクルの乱れは、生活習慣を見直すことで改善する可能性があります。

生活習慣の改善に加えて、育毛剤などでヘアケアを行うことで、更なる頭皮環境の改善を期待できます。

生活習慣の改善方法は次章、おすすめの育毛剤はこの記事の最後に紹介します。

AGAやFAGAは治すのが難しい

一方、薄毛の原因がAGAの場合、原因やメカニズムは明らかとなっている部分もあるのですが、未だ不明な点も多い脱毛症です。そのため、現時点でAGA(及びFAGA)は完治させることは大変難しいです。どんどん症状が悪化してしまう可能性があるため、早期に専門医を受診、治療しましょう。

自宅でできる!薄毛・抜け毛の対策

薄毛が気になり始めた方は、まず日々のケアを見直しましょう。ここでは、日常的にできる薄毛・抜け毛対策を紹介します。ぜひ、日頃の習慣を見直してみてください。

バランスのとれた食事を心がける

毎日の食事から摂取する栄養素は髪の毛の健康維持に欠かせません。薄毛の対策や改善には食生活の見直しが有効なのです。

 

一般的に、薄毛対策において重要となる栄養素は、「たんぱく質」「ミネラル」「ビタミン」です。一方、糖質の摂りすぎは薄毛の原因となる「糖化」を促進してしまう可能性があります。「糖化」はAGEsという老化物質が生まれ、頭皮が硬くなり、抜け毛を増やす原因となります。

 

また最近では、毛母細胞に働きかけて発毛を促進させる可能性がある「IGF-1」という成分が注目されています。「IGF-1」を増やす可能性のある食材としては、大豆や鮭が挙げられます。

十分な睡眠をとる

寝不足は頭皮に悪影響をもたらします。十分な睡眠が取れない状態が続くと、自律神経とホルモンバランスが乱れてしまいます。とくに、発毛を促進してくれる成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるため、睡眠不足は髪の成長を阻害してしまいます。

成長ホルモンの分泌を活発にするには、体が深く眠った状態に入ることが重要です。睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時と言われますが、実際には時間帯ではなく、睡眠時に90〜120分間隔で訪れる深い眠りの時間をいかに取れるかがポイントです。質の高い睡眠をとるためにも日頃の習慣を見直してみましょう。

適度な運動をする

薄毛・抜け毛の原因は様々ですが、日頃の運動習慣も間接的に関係しています。 運動量が少ないと肥満になる可能性が高まるだけでなく、筋力が低下することで、摂取したエネルギーを十分に消化できず、体の老化を招きます。

 

また、運動不足だと血行が悪くなります。日頃、運動習慣のない方は、日常生活のなかで歩く機会を増やしたり、階段を利用したりするなど意図的に取り組むようにしましょう。また、時間があるのであれば週末には軽い運動(有酸素運動)やストレットなどを行うのもおすすめです。

ストレスを溜めない

先述した通り、ストレスは、自律神経を刺激し、頭皮の血行不良を招くため薄毛・抜け気の原因になります。また、ストレスはタバコの本数が増えたり、飲酒量を増やしたりと頭皮環境を悪化させる可能性もあります。

現代社会において、全くストレスを感じず生活することはほぼ不可能なため、ストレスを溜め込まず、発散できる方法を見つけましょう。

 

 頭皮・毛髪のケアで薄毛・抜け毛を改善

 ドライヤーのかけ方について

髪の毛が生乾きのままだと、雑菌が繁殖しやすい頭皮環境となってしまうので、頭皮を清潔に保つためには自然乾燥ではなくドライヤーを使うがベストです。

しかし、ドライヤーをかけすぎて、頭皮が乾燥してしまうのは逆効果です。

ドライヤーを用いる場合、髪の根元から乾かしますがドライヤーの熱風が頭皮に長時間、直接かかることがないよう注意しましょう。ドライヤーは髪から10〜20cmほど離して、揺らしながら乾かすことで、頭の一点に熱風が当たることを防げます。

頭皮マッサージ

頭皮マッサージは硬くなった頭皮の血行を改善することできます。頭皮マッサージをする場合、両手の指で垂直に押し込むようにマッサージします。両手の指を頭皮に垂直に立てて、やさしくゆっくりと力をいれて押し込みます。頭皮全体をまんべんなくマッサージしましょう。

また、血行をよくするのにツボ押しも効果的です。

「百会(ひゃくえ)」・・・目の中間と左右の耳の上部を結んだ線上の真ん中
「天柱(てんちゅう)」・・・後頭部の髪の生え際くぼみから、指幅1本分外側
「風池(ふうち)」・・・天柱から頭蓋骨に沿って親指1本分と外側のくぼみ

育毛剤を使用する

これまで紹介した薄毛・抜け毛の対策に加えてより効果を期待したい方におすすめなのが「育毛剤」の使用です。育毛剤には、抜け毛の予防、頭皮環境を整える働きがあり、自宅でも手軽にできる頭皮ケアとおすすめです。育毛剤とよく似たものに「発毛剤」があります。「発毛剤」は育毛剤とは効果の面で大きな違いがありますので、ここで整理しておきましょう。

発毛剤:脱毛箇所に新たなに髪の毛を生やすことができる
(日本で唯一「髪の毛を生やす成分」として認められている「ミノキシジル」などの成分が含まれる)
育毛剤:髪の毛を太く育て、抜け毛を防ぐことができる

育毛剤と発毛剤の違いについては【医師監修】育毛剤は効果ないのか?あるのか?効果的な使い方・成分・期間で詳しく解説しています。

育毛剤や発毛剤を選ぶときは成分に注目

育毛剤と発毛剤には様々な成分が含まれていますが、よく分からない方がほとんどではないでしょうか。まずは、育毛剤や発毛剤に含まれる主要な成分をご紹介いたします。

毛の成長を促す成分

髪の毛は、頭皮の下にある毛細血管から栄養を受け取り毛母細胞から作り出されます。そのため、毛母細胞の活性化と血行促進は発毛と育毛に非常に重要です。育毛剤や発毛剤に含まれる以下の成分がその代表例です。

・D-パントテニルアルコール
・アラントイン
・センブリエキス
・ニンジンエキス
・パントテニルエチルエーテル
・ペンタデカン酸グリセリド
・アデノシン

抜け毛を防ぐ成分

薄毛の原因には「DHT」という男性ホルモンが関係していることをお伝えしました。DTHは毛母細胞の働きを低下させる男性ホルモンで、増加することで抜け毛を多くしてしまう可能性があるのです。育毛剤や発毛剤には、このDHTを抑制する働きのある、以下の成分が含まれています。

・オレアノール酸
・エチニルエストラジオール
・フィナステリド

頭皮の環境を整える成分

健やかな毛髪の成長そして維持には、頭皮環境が大きく関係しています。頭皮を清潔な状態が保てないと、トラブルを招く原因になるため、育毛剤や発毛剤には、頭皮環境を改善する成分が含まれています。頭皮環境の改善に関する成分の代表例は以下に示す通りです。

・酸化亜鉛
・ナイアシンアミド
・クジンエキス
・イノシトール
・セファランチン
・ジフェンヒドラミン塩酸塩
・グリチルリチン酸ジカリウム
・サイトプリン
・イソプロピルメチルフェノール

育毛剤や発毛剤を効果的に使う方法

入浴後に使う

育毛剤や発毛剤を使用する前に、まず頭皮や髪の毛の汚れを落としてから使用するようにしましょう。頭皮を清潔な状態にする以外にも、血管を拡張する目的もあります。お風呂の水温はぬるめに設定し、ゆっくり浸かることで緊張状態からリラックスした状態にすることで、血行不良の改善効果が期待できます。

マッサージしながら使う

マッサージは、神経をよりリラックスさせる効果があり血行促進することができます。また、マッサージをしながら馴染ませることで毛根に有効成分をより浸透させることができます。頭皮マッサージは、塗布した後すぐに行うのではなく、頭皮に有効成分が浸透する時間(1~2分程度)を待ってから行います。両手の指を頭皮に垂直に立てて、やさしくゆっくりと力をいれて押し込み、頭皮全体をまんべんなくマッサージしましょう。

 継続して使う

育毛剤の効果が現れるまでに個人差はあるものの、少なくとも3ヶ月以上はかかります。「育毛剤を試したけど効果がでない」とすぐに使用をやめてしまうことのないようにしましょう。

また、一般的に男性の薄毛は進行性です。育毛剤の使用を続けている期間は効果が得られますが、使用を中断してしまうと再び、頭皮の状態が元に戻ってしまい、薄毛が進行してしまいます。

育毛剤と発毛剤を同時に使わない

話が少しそれますが、より発毛を実感したいと考えるなかで、育毛剤と発毛剤を併用すればいいのではないかと考える方がいると思います。

しかし、育毛剤と発毛剤の併用は行うべきではありません。なぜなら、それぞれに含まれる成分が相乗効果を生み出すものではなく、逆に互いの成分が混じり合うことで副作用(炎症など)がでる可能性があるからです。

どうしても併用を考えるのであれば専門医の診療を受け、相談をしてから使用するようにしましょう。